CASE 001 電設資材メーカー

ゆるみ止めナットの開発

振動試験機によるシビアな加速度試験をクリアー

背景

ボルト・ナット締結における自主的安全性向上への取り組み

当時、ボルト・ナット締結に関して更なる安全性を求める多くの声が寄せられていた。九州の電設資材メーカーであった顧客はいち早くこの事実に着目し、ゆるみ止め商品の開発を自社設計で進めていた。当初はそれまで取引のあった在郷のばねメーカーとの協働で試作を繰り返していたが実現への壁は厚く、顧客のキーパーソンである技術担当部長がWEB経由でアドバネクスへ開発協力の打診をした。

顧客リクエスト

ポイントは緩まないこと、折れないこと

顧客キーパーソンの要望はただひとつ、ばねの緊縮力を利用した画期的なナットを作りたいというもの。つまりは一般的なトルクレンチで使用でき、一度締めれば緩むことのないボルト締結用ナットの開発であり、それは電設資材のローカルメーカーであった顧客にとってはナショナルメーカーへの飛躍を約束する重要案件である。たった一つのボルトの落下であっても事故に結びつきかねないため、「絶対に緩まない」ことが製品の量産化のための必須条件であった。その安全性を実証するためには、顧客所有の日本で唯一の振動試験機による厳しい加速度試験をクリアーすることが大命題であった。

ソリューションと提案

商品完成まで実に5年、各業界で高評価

設計図面は顧客が作成⇒柏崎で試作⇒テスト⇒改善ポイントの発見⇒設計変更⇒試作というサイクルで開発を進めた。理論的にはボルトの緩みを抑えるためにはコイルばねの螺旋形状を利用してボルトのねじ山にコイルを噛ませることで解決する。だが立ちはだかったのは原因不明の「折れ」。設計図面どおりの形状では耐久試験をクリアーすることが出来ない。幾多の素因を究明するためにM8・M10・M12の3サイズで設計変更を重ね、究極の形状を模索、提案した。NCマシンの能力の限界に挑み、試作総数は、100種をはるかに越えた。結果、開発から5年を経て顧客の満足する商品開発に協力することができた。各業界からも高い評価を得、今後益々の需要が見込まれている。

営業担当の声

超難度の案件だっただけに、完成時はお客さまと言葉にならない感動を分かち合いました。

DATA

顧客情報

業種:電設資材メーカー 従業員規模:1人〜100人

最終製品

ボルト締結用ナット

納期

開発依頼後5年

選定理由

技術力

ソリューション・ポイント

試作加工技術 最先端設備 徹底した品質管理 職人魂

顧客メリット

販路が全国の大手企業へと拡大。海外マーケットをも視野に捉え「ローカルブランドからナショナルブランド」へという悲願が現実のものとなりつつある。